こんにちは、haruです。今回は一般名処方・後発品の変更調剤についてお話してみたいと思います。変更調剤には細かいルールが多く、例外もあるのでその都度調べることも多いです。今回は基本的なルールについて見ていきましょう。
先発品、後発品、一般名ってなに?
先発品・後発品は医療関係でなければ聞きなれないかたも多いと思いますので簡単に説明していきます。基本的に処方箋には先発名、後発、一般名でお薬名が記載されています。
先発品 | 新規で開発・承認・発売された医薬品で、新薬とも呼ばれています。新薬の特許権は20年~25年で研究費、開発費があるため後発品よりも値段が高い 例:ロキソニン錠60mg |
後発品 | ジェネリック医薬品のこと。先発品と同じ有効成分で効能、用法、用量が同一で飲みやすさなど様々なメーカーが改良し、厚生労働省の認可を得て製造販売されています。 例:ロキソプロフェン錠60mg「トーワ」、ロキソプロフェン錠60m「EMEC」 |
一般名 | 処方箋に記載されるお薬の有効成分名のことです。有効成分名で処方することのより、患者様が先発品、後発品を選択することができます。 例:ロキソプロフェンナトリウム水和物錠 |
一般名処方の変更のルール
一般名処方であれば処方医に事前に確認することなく一般名名称が同一である成分を含有する医薬品(含量規格が異なる後発品又は類似する別剤形の後発品を含む)を用いて調剤を行えます。
ただし、処方薬に「含量規格変更不可」または「剤形変更不可」の記載がある場合には、患者に対して説明し、同意を得ることを条件にその指示に従い調剤する。
類似する別剤形 についてはまた後日詳しくまとめたいと思います。
一般名処方から先発品調剤は同一規格・同一剤形のみ調剤可!
例1
Rp.1 般)アムロジピン錠2.5 1錠 朝食後 30日分
次のうち処方医に確認することなく調剤できるものは?
①アムロジピン錠2.5「明治」 1錠
②アムロジピン錠5「明治」 0.5錠
③アムロジピン錠OD錠2.5「トーワ」 1錠
④ノルバスク錠2.5 1錠
⑤ノルバスクOD錠2.5 1錠
一般名名称が同じであるであるのは①④
含量が異なる後発品②
類似する別剤形の後発品③
⑤については類似する別剤形含量先発品になるので変更することができません。
後発品への変更のルール
処方箋に銘柄名の記載がなされた場合には一定の要件かにおいて処方医に確認することなく含量違い又は類似する別剤形の後発品に変更して調剤できます。
先発品から先発品への変更は処方医に確認しなければ変更できない!
この一定の要件とは
- 処方薬に「含量規格変更不可」または「剤形変更不可」の記載がないこと
- 「変更不可」欄に「✓」又は「×」の記載がないこと
処方薬に「含量規格変更不可」または「剤形変更不可」の記載がある場合には、患者に対して説明し、同意を得ることを条件にその指示に従い調剤する。
含量規格が異なる後発品または類似する別剤形の後発品への変更調剤は変更後の薬剤料が変更前と比較して同額以下であること。よく薬価と勘違いする方もいるので注意!!
同一規格・同一剤形の後発品への変更は薬剤料が上がっても変更可能!
例2
Rp.1 ノルバスク錠5mg 1錠(1錠=20.3円) 朝食後 30日分
次のうち処方医に確認することなく調剤できるものは?
①アムロジピン錠5mg「明治」 1錠(1錠=10.1円)
②アムロジピン錠2.5mg「明治」 2錠(1錠=10.1円)
③アムロジピンOD錠5mg「トーワ」 1錠(1錠=10.1円)
④アムロジピンOD錠2.5mg「トーワ」 2錠(1錠=10.1円)
⑤ノルバスクOD錠5mg 1錠(1錠=20.3円)
⑥ノルバスクOD錠2.5mg 2錠(1錠=17円)
薬価は令和5年度のものです。
ちなみに薬剤料はノルバスク錠5mgは2点×30日分で60点
同一規格・同一剤形の後発品は①
含量規格が異なる後発品、変更前の薬剤料超えていない②(薬剤料は2錠×10.1円÷10×30日分で60点)
類似する別剤形の後発品、変更前の薬剤料超えていない③
含量規格が異なる後発品または類似する別剤形の後発品④
⑤⑥はいずれも先発品のなので処方医に確認なしで変更することができません。
例3
Rp.1 フェキソフェナジン錠60mg「杏林」 2錠(1錠=10.3円) 朝夕食後 30日分
①フェキソフェナジン錠60mg「SANIK」 2錠(1錠=23.5円)
②フェキソフェナジン錠30mg「沢井」 4錠(1錠=10.1円)
③フェキソフェナジンOD錠60m「NP」 2錠(1錠=23.5円)
薬価は令和5年度のものです。
例3の薬剤料は2×10.3=20.6円≒2点×30日分で60点
①については薬剤料は2×23.5=47円≒5点×30日分で150点と薬剤料は変更前と高くなりますが同一規格・同一剤形の後発品の変更なので変更可
②については薬剤料は4×10.1=40.4≒4点×30日分で120点で含量規格が異なる後発品なので一見変更できそうですが薬剤料が高くなっているので不可です。
③については薬剤料は150点で薬剤料は高くなり、類似する別剤形の後発品への変更調剤は薬剤料が同額以下でありませんのでこちらも不可です。
内服以外の変更調剤のルール
これまでは内服薬の変更調剤のルールでしたが、内服と内服以外でルールが異なります。
- 別剤形の後発品への変更調剤は不可
- 含量規格が異なる後発品への変更調剤は可 だだし変更後の薬剤料が超えないこと
例4
Rp.1 リンデロンVG軟膏0.12%(1g=27.7g) 5g×2本 1日2回 体
①デルモゾールGクリーム0.12%(1g=27.7円) 5g×2本
②デキサンVG軟膏0.12%(1g=27.7円) 10g×1本
薬価は令和5年度のものです。
①については別剤形の後発品への変更調剤なので不可
②については含量規格が異なる後発品への変更調剤なので可
以上が調剤変更ルールの基本となるものです。その他基礎的医薬品、局方品などその医薬品によって変更調剤ができるか変わっていきます。本当に変更調剤はルールが深いです。
もっと詳しく学びたいという方は沢井製薬さん、日医工さんのすごくわかりやすいURLを貼っておきます。私も新人さんに教えるときはこちらの資料使わせていただいてます。
SKIM この薬剤は変更できるの? 沢井製薬さん
後発医薬品への変更調剤ルール 日医工さん
今回は変更調剤のルールについてでしたが、皆さんの少しでも参考になれば嬉しいです。
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